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2006/05/24

無題

ずいぶんと昔の話。
季節はちょうど今ごろだったか。

ピアノのお稽古に出かけた、暑い土曜日の昼下がり。
先生の家に向かう路地の真ん中に、黒い手袋が落ちていた。
大人が使うような大きさの、毛皮仕立ての手袋が片方だけ。

こんな時期に手袋なんて、変な話だ。
そう思いつつ近くに寄ってみると、手袋が立ち上がって歩き出した。

手袋と思ったのは、横になっていた真っ黒な子犬。
どうして路地の真ん中にいたのかは判らない。
でも、人が来たのが嬉しいらしく、ずっと後を付いてくる。

犬は好きだし、黒い子犬は可愛らしいけど。
家に連れて帰ったら、お稽古の時間に間に合わない。
犬嫌いなピアノの先生の家に連れて行くわけにはいかない。

子どもなりに悩んだ挙げ句、どうしたのだったか。
いくら考えても、思い出せない。

後を付いてくる黒い子犬の、嬉しそうな顔。
それは、今でも覚えているんだけど。

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