鵯の鳴く頃に
鵯と書いて、ヒヨドリ。
「ヒィーヨ ピィーヨ」と騒々しく鳴くから、ヒヨドリ。
食べ物の少ない冬の時期、メジロやスズメの足しにしてやろう。
そう思って作った給餌台、真っ先に来て占拠する、ヒヨドリ。
綺麗に咲いたツバキの花、蜜を食べようとやって来て。
花をつつきすぎたあげくに、ぽとりと落としてしまう、ヒヨドリ。
木の上に残されて霜に当たって、渋が抜けてきた小さな柿。
他の鳥たちを追い払ってでも食い散らかしていく、ヒヨドリ。
態度は傍若無人だし、鳴き声はやかましいし。
どこにでもいて珍しくもないし、色合いもぱっとしないし。
まあ、だけど、そうは言っても。
卑しい鳥と書いて、鵯。
それは、あまりにも酷いんじゃないかなあ。
もっとも、ヒヨドリたちはそんなこと気にしてなくて。
今日も今日とて、傍若無人にやかましい。
ヒヨドリたち、元気に生きろよ。
…
ちなみに、ヒヨドリジョウゴという植物もあったりする。
夏に咲く白い花と、秋から冬にかけての赤い実が印象的。
漢字で書くと、鵯上戸。
ヒヨドリの好物だと言うけれど、実は毒がある。
別の種類で、ヒヨドリバナという植物もあって。
ヒヨドリが鳴く頃に花が咲くというけど、奴らは年中鳴いている。
昔の人が残したことながら、変な話だと思う。
そのあたりのことは、忘れなかったらそのうちに。
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