なに見て跳ねる
山と谷に挟まれた、田舎の狭い道。
車で走っていたら、山からノウサギが飛び出してきた。
そのまま走り抜けると思ったら、道の真ん中で立ち止まる。
最徐行で近づいて、あと5mばかり。
車に気がついたのかノウサギ、道なりに逃げ始めた。
ぴょんぴょん跳ねて行くところを見ると、結構慌ててるんだろう。
慌ててるとはいえ、車よりは遅い。
追い越すわけにも行かず、最徐行で付いて行く。
一生懸命なノウサギ、山に逃げればいいことに気付かないらしい。
ノウサギの後ろ姿を見ながら走ること、1kmばかり。
急ぐ道ではないけれど、延々と最徐行はつらすぎる。
そう思い始めた頃、三叉路の分岐点。
ノウサギは左に、私は右に。
…
まあ、ねえ。
ノウサギから見たら、車はきっと巨大な怪物なわけで。
慌てて逃げたくなる気持ちは、すごくよく判る。
よく判るんだけど。
どうして、道なりに逃げるんだろうなあ。
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