2008/06/09

はばたけ、青い翼。

狭いようで、南北に細長い日本。

ある地域では普通にいるのに、他の地域では見かけない。
そんな生き物も、いろいろいます。

その1つが、カラスの仲間の野鳥、オナガ。
東日本には普通にいるけれど、東海地方より西には殆どいません。

ちなみにオナガ、尾羽が長いから尾長。
名のとおり尾羽が長めですが、尾羽が長い鳥は他にもいます。

キジ、ヤマドリ、サンコウチョウ、カラスの仲間のカササギ。
尾羽が長い鳥は他にももいるけど、なぜかオナガが尾長の代表。

もっとも、尾が長いだけがオナガの特徴ではありません。
たとえば、羽根の色。

薄灰色の背中、翼の先と尾羽は薄青色、頭は黒、尾羽の先は白。
派手ではありませんが、なかなかモダンな色合いです。

ちなみに、英語名は Azure-winged Magpie.
こちらは、翼の青が名前の由来となっているようです。

オナガはカラスの仲間なので、鳴き声のほうも、ある意味特徴的。
人間に理解できるように表現するとしたら、こんな感じです。

"ギューーイ ギューーイ ピピッ"

美しくはないけれど、なんだか愛嬌があるオナガの鳴き声。
ゼンマイ時計のネジを巻いているようようにも聞こえます。


"ギューーイ ギューーイ"とネジを巻き、時計は進むか遅れるか。
オナガは普通に鳴いているだけだろうけど、気になるところです。

ところで、オナガの巣にはカッコウが託卵することが知られています。

カッコウはカッコウなりに、託卵は託卵なりに。
説明したいことが、まだまだたくさんあります。

が、書いていたらきりがないので、それはそれで、またの機会に。

【おすすめ】
 Book 「ファイナルシーカー レスキューウイングス」 小川一水
 Music 「The Water of Life」 おおたか静流

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2008/05/12

Like the rain falling on the bush.

この週末は、あいにくの雨&PCリカバリでインドア・ライフ。
とはいえ、花粉も飛ばなくなって、そろそろ野山のシーズン。

ということで。
"ということ"と言いつつ。
それで良いのかどうか、我ながら疑問ではあるけれど。
地味だけど声が特徴的なウグイス科の鳥たち、第2弾。


唐突ですが、ヤブサメという野鳥がいます。

名前を言われても、どんな鳥かすぐに思い浮かばない。
そういう人が、非常に多いと思われる野鳥、ヤブサメ。
夏の間は、ウグイスと同じような場所で暮らしています。

ウグイスがいるような所といえば、結構身近な山の藪の中。
そんな場所に住んでいる割に、存在を知られていない。
その最大の理由は、ひとことで言えば"地味"なこと。

なにしろ、見た目も、さえずりも地味。
地味すぎると言ってもいいくらい、地味。

そんなヤブサメ、一言で言えば、"小さくて尾羽が短いウグイス"
ただでさえ地味なウグイス、尾羽が短くなって、さらに地味な姿に。
しかも、体が小さくなって、より目立たなくなります。

それから、さえずり。
こちらは「シシシシシシシシ…」と続く尻上がりの高音。
高らかに歌い上げるウグイスと比べたら、ずいぶんおとなしい声です。

なんでも、鳥の声の中では周波数が非常に高い部類なんだとか。
ついでに言うと、高齢者には聞き取りにくい高さの音なんだとか。
野鳥観察会で人間観察をしていると、確かにその傾向はあるようです。

ちなみに、その鳴き声が"藪に雨が降る音"のようだから、藪雨→ヤブサメ。
名前のついた由来は、そんなところにあるそうです。

ヤブサメの声に気付き、その音と藪に降る雨の音の類似性に気付き。
そこから考えて、ヤブサメをヤブサメと命名した昔の人。
誰かは知らないけど、風流な人だったんでしょうね。

それにしても。
姿が見えない分、声が特徴的なウグイス科。
声も聞き取りにくいのでは、存在が認識されなくても仕方ない話。

といっても、存在を認識してないのは人間だけ。
ヤブサメはヤブサメなりに、元気に暮らしている訳です。

ということで。
"ということ"と言いつつ。
それで良いのかどうか、こちらも疑問ではあるけれど。
尾羽が短いヤブサメのごとく、尻切れトンボに話は終わり。

ウグイス科第3弾があるかどうかは、その時次第。

【おすすめ】
 Book 「日本の国立公園」 加藤則芳
 Music 「愛燦々」 ジャパハリネット

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2008/05/01

酒飲み銭鳥

鳴き声は有名だけど、姿が知られていない鳥。

日本の鳥では、まあ間違いなくウグイスが筆頭でしょう。
なにしろ、"うぐいす色"が別の鳥の色になってしまってるくらいで。

そのウグイスの仲間の鳥たち、分類ではウグイス科と言います。
同じ分類の仲間だけに、類は友を呼ぶというか、なんというか。
こちらも、"姿は地味だけど声は特徴的" な鳥がいろいろ。


たとえば、センダイムシクイ。
暗いオリーブ色の体に茶色いラインと、地味としか言いようがない姿。
藪かげの暗がりにいることが多いので、姿はなかなか見えません。

でも鳴き声は、良く通る明るい音で "チィヨ チィヨ ビーーーッ"
どこにいるのか、姿は見えないけど "チィヨ チィヨ ビーーーッ"

この鳴き声を、人間の言葉に聞きなして "焼酎一杯 ぐいーっ"
芋なのか、麦なのか、米なのか、はたまた変わり種の焼酎なのか。

気になるところですが、センダイムシクイは焼酎飲まないでしょうね。


それから、メボソムシクイ。
見た目はやはり、地味としか言いようがない茶色です。

こちらも、鳴き声は良く通る明るい音で "ジュリジュリ ジュリジュリ"
センダイムシクイよりも奥地の山から "ジュリジュリ ジュリジュリ"

この鳴き声にも、聞きなしがあって "銭取り 銭取り"
奥地の山で銭を取るのは、いったい何者なのか。

これも気になりますが、メボソムシクイじゃないのだけは確かです。

それから…
書いていけば、きりがある。
けど、まだまだあるウグイス科の話。
続きはまた、そのうちに。

【おすすめ】
 Book 「鳥はなぜ集まる?」 上田恵介
 Music 「電照菊」 かりゆし58

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2008/04/15

A flying crow always catches SOMEthing.

昔住んでいた、2階建てのベランダ付きの部屋。
燕雀の巣の争奪戦が終わって、落ち着いたのもつかの間。
ある日ベランダに出たら、置いたはずのない物が落ちていた。

水色の幼児用の靴、片方。
白い合皮のスリッパ、片方。
欠けたCD-R、1枚と半分。
赤い線の入ったゴルフボール、1個。
ひび割れた車のバックミラーらしき物、1個。
何の模様も入っていない金色のスクリューキャップ、1個。

ベランダの隅にまとめて置かれた、見覚えのない物たち。
子どもが悪戯で投げ込んだにしては、どうも配置が不自然。

よく判らないから、当面静観することにした翌週。
2階の部屋を掃除していたら、窓の外でバサバサと羽根の音。

外を見たら、ハシブトガラスが1羽。
ゴルフボールをくわえて、ベランダの手すりにとまっていた。

こちらが見ていることに気付かない、ハシブトガラス。
ベランダの隅にゴルフボールをそっと置いて、飛び去った。

ベランダに置かれていた、いろいろな物。
どうやら、ハシブトガラスの宝物だったらしい。

スズメとツバメの巣に続いて、カラスの宝物隠し場所。
ベランダの用途としては、何か違うような気がする。

とはいえ、私自身はめったに使うこともないベランダ。
有効活用してるなら、それはそれでいいかと、そのまま2年。

時々見ると、場所が変わっていたり、違う物が増えていたり。
台風で飛び散ったあとには、同じ場所に集め直してあったり。
私の代わりにベランダを活用していた、ハシブトガラス。

私が引っ越してからも、宝物を集めていたのかどうか。
次に入居した人に、宝物を捨てられてしまってないか。

思い出すと、少しばかり気になったりもする。
今頃どうしてるんだろうなあ。

【おすすめ】
 Book 「カラスはどれほど賢いか」 唐沢孝一
 Music 「身ひとつ」 タテタカコ

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2008/02/06

鵯の鳴く頃に

鵯と書いて、ヒヨドリ。
「ヒィーヨ ピィーヨ」と騒々しく鳴くから、ヒヨドリ。

食べ物の少ない冬の時期、メジロやスズメの足しにしてやろう。
そう思って作った給餌台、真っ先に来て占拠する、ヒヨドリ。

綺麗に咲いたツバキの花、蜜を食べようとやって来て。
花をつつきすぎたあげくに、ぽとりと落としてしまう、ヒヨドリ。

木の上に残されて霜に当たって、渋が抜けてきた小さな柿。
他の鳥たちを追い払ってでも食い散らかしていく、ヒヨドリ。

態度は傍若無人だし、鳴き声はやかましいし。
どこにでもいて珍しくもないし、色合いもぱっとしないし。

まあ、だけど、そうは言っても。

卑しい鳥と書いて、鵯。
それは、あまりにも酷いんじゃないかなあ。

もっとも、ヒヨドリたちはそんなこと気にしてなくて。
今日も今日とて、傍若無人にやかましい。

ヒヨドリたち、元気に生きろよ。


ちなみに、ヒヨドリジョウゴという植物もあったりする。
夏に咲く白い花と、秋から冬にかけての赤い実が印象的。

漢字で書くと、鵯上戸。
ヒヨドリの好物だと言うけれど、実は毒がある。

別の種類で、ヒヨドリバナという植物もあって。
ヒヨドリが鳴く頃に花が咲くというけど、奴らは年中鳴いている。

昔の人が残したことながら、変な話だと思う。
そのあたりのことは、忘れなかったらそのうちに。

【おすすめ】
 Book 「やがてヒトに与えられた時が満ちて……」 池澤夏樹
 Music 「レゲレゲ」 GReeeen

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2007/12/04

ぴかぴか☆

ピカピカの一年生になったり。
夕立が来て、稲妻がピカピカしたり。
大掃除して、家中ピカピカに磨き上げたり。

何となく、輝いてるようなイメージのある"ピカピカ"
そんな"ピカピカ"が学名になっている生き物がいます。

学名はラテン語表記なので、正しくは"Pica pica"
日本の分類では、スズメ目カラス科カササギ属カササギ。
分類から判るとおり、カラスの仲間の野鳥です。

カラスの仲間ということで、形はハシボソガラスによく似ています。
主な違いは、尾が長く、胸から腹にかけての羽根が白く、一回り小さいこと。
背中と尾羽は光沢のある黒で、なかなか上品な色合いです。

鳴き声は金属的な響きのあるやや高い音で"カシャカシャ"
これを"カチカチ"と聞いて別名"かちがらす"とも呼ばれています。

そんなカササギ、もともとは日本に生息していなかったようです。
秀吉の朝鮮出兵に参加した佐賀藩主が、朝鮮半島から連れ帰ったとか。
そのため、日本での分布は九州の一部に限られていました。
最近、各地に分布が広がりつつあるようですが…。

かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける
                                (大伴家持)

大伴さんが本物のカササギの姿を見たかどうかは、やや疑問。
おそらく、中国の七夕伝説を踏まえた歌なんでしょうね。

ちなみに七夕伝説。
織姫と彦星が出会えるよう、カササギが翼を連ねて橋になる。
という話ですが、何羽いたら人間の体重を支えられるのか気になります。

話が鳥からずれました。
カケスにオナガ、ルリカケス、ワタリガラスにホシガラス。
ハシブトガラス、ハシボソガラス以外にもカラスの仲間はいろいろ。
どれも興味深いのですが、その話はまたの機会に。

【おすすめ】
 Book 「Who was Marco Polo?」 Joan Holub 
 Music 「いちごいちえ」 やなわらばー

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2007/06/29

鵺の鳴く夜に

"ひ" "はひふへほ"の "ひ"

"ひひひひひっ" って笑えば、どんな善人顔でも悪人キャラ。
"ひぃいい~" って淡古印体、おどろ線添えればホラー・コミック。
"ひっ" って息を呑んだら、怖がってる演技。

単独で使うと、なんだか良いイメージのない"ひ"
そんな "ひ" が主な鳴き声の鳥がいます。


スズメ目ツグミ科の野鳥 "トラツグミ"
1年を通じて、日本国内の低い山周辺で暮らしています。

ツグミの仲間ではやや大きめ、くちばしから尾羽の先まで約30cm。
黄黒白が入り交じった鱗模様のボディが"トラ"という名前の由来。

前述したとおり、鳴き声は "ひ"
より正確には "ひ~~~~っ"
か細い、消え入りそうな声で、"ひ~~~~っ"

言い忘れてましたが、トラツグミは夜行性。
別名 "ぬえ" を漢字で書くと "鵺" 見てのとおり"夜の鳥"
鳴くのも、夜中が多いです。

草木も眠る丑三つ時、どこからか聞こえて来る "ひ~~~~っ"
今の声、何?と思ったところにもう一回 "ひ~~~~っ"

不気味です。
声の主を知らなかったら、かなり怖いです。
そう感じるのは、現代人だけではなかったようで。


夜な夜な内裏にやって来る一陣の黒雲。
"ひ~~~~っ" と鳴くのを矢で打ち落としたら、正体は怪物。
サルの頭にタヌキの胴、ヘビの尾にトラの手足の生き物だったとか。
『平家物語』にある話。
… 

怪物の鳴き声にされるほど、不気味なトラツグミの声。
でも、彼らにとっては重要なコミュニケーション手段です。
人の思いとは関係なく、今夜もどこかで鳴いていることでしょう。

か細い、消え入りそうな声で "ひ~~~~っ"
たぶん、仲間を呼んでるんでしょうね。

【おすすめ】
 Book 「森の自然学校」 稲本正
 Music 「Let it be」 The Beatles

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2007/06/15

夜啼く鳥の見る夢は

ヨタカという野鳥、ご存じですか?
「よだか」と言った方が、おわかりになる方が多いかもしれませんね。

ヨタカ目ヨタカ科の野鳥、ヨタカ。
初夏の頃、日本の山地に渡ってくる夏鳥の仲間です。

ヨタカのヨは、夜のヨ。
ということで、名前のとおり夜行性。
夏山キャンプの夜など、よく鳴き声が聞こえてきます。

「キョッキョッキョッキョッキョッキョッキョッキョッ…」

速いテンポで続く鳴き声は、夜の静寂の中で印象的なもの。
そのせいか、鳴き声に由来すると思われる別名がいろいろあります。

たとえば、キュウリキザミ。
鳴き声から、キュウリを刻む時のまな板の音を連想したものでしょう。
ナマスタタキという別名もありますが、同じような意味合いでしょうね。

少し変わった別名に、ヨメオコシというものがあります。
といっても、お嫁さんを起こすのはヨタカの鳴き声ではありません。
じゃあ何者か嫁を起こすのかというと、ヨタカの鳴き声を聞いた姑さん。

「隣の嫁は起きて朝飯の準備をしているのに、うちの嫁はまだ寝ている」
そう言って、自分の家のお嫁さんをたたき起こすのだそうです。
なんだか、ちょっと、嫌な話ですね。

よく通る鳴き声の割に、見た目は地味です。
色、模様ともに、最も近いイメージは「朽ちかけた落ち葉」。
太めの木の枝に座り込むようにとまると、いったいどこにいるのやら。
夜行性ということもあって、声は聞けども姿は見えずという人も多いようです。

そんなヨタカ。
初心者向けの野鳥観察会で、意外と知名度が高かったりします。
「星になった鳥ですよね。」そんな風に言われることもあります。

カシオペア座のすぐとなり、天の川の青じろいひかりのすぐ前あたり。
"燐の火のような青い美しい光になって、しずかに燃えている"

よだかの星を探しながら、ヨタカの声を聞く。
梅雨が明けたら、そんな夜を過ごしてみるのもいいかもしれませんね。

【おすすめ】
 Book 「よだかの星」 宮沢賢治
 Music 「満天の星」 Parsha cluB

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2007/05/22

About the Moon , Sun and Stars.

空で光るものといえば、太陽。それから、月と星。
この3つから、名前が付いた鳥がいます。

「サンコウチョウ」

スズメ目カササギヒタキ科の野鳥。
ちょうど、今くらいの時期に東南アジアから渡って来る夏鳥です。

「ツィ ヒッ ホゥシ ホイホイホイッ」
そんな♂のさえずりの前半を「月・日・星」と聞きなして。
光るものが3つ並んでいることから、付いた名前が三光鳥。

鈍い赤褐色の翼。
頭から胸、脇にかけては紫がかった黒。尾羽も同じく。
頭や背中とは対照的に、腹側の羽根は白。
くちばしは、涼しげな青。
目の回りを囲むように、同じく青いアイリング。
白い羽根と青いくちばしがよく目立つ、エキゾチックな外見。

♂成鳥の尾羽は、胴体の3倍近い長さになります。
長い尾羽を翻して森の中を飛び回る姿は、なんとも幻想的。
Paradise Flycatcher という英名も、伊達じゃないようです。

薄暗い森を好むため、姿を見る機会が少ないのが残念なところ。
でも、特徴的な鳴き声、山を歩いていると時々聞くことができます。

「月・日・星」の部分は、ちょっと早口。
「ホイホイホイッ」という後半部分の方が、耳に残るかもしれません。

「ホイホイ」言ってて、なんだか調子のいい奴。
という気もしなくはないですが、サンコウチョウ。
そんな鳥もいるんだなと、覚えていただけると、うれしいです。

【おすすめ】
 Book 「楽園」 鈴木 光司
 Music 「片手に三線を」 DIAMANTES

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2007/04/29

Greenery Day has been changed to Showa day.

「天皇誕生日」改め「みどりの日」改め「昭和の日」になった4月29日。
そんなことには関係なく、野鳥&植物観察。

場所:岡山県和気町
時間:10:00~12:00

観察した(声を聴いた)鳥
 カイチブリ カルガモ アオサギ トビ キジバト コゲラ ツバメ
 セグロセキレイ ヒヨドリ (ウグイス) シジュウカラ ホオジロ
 メジロ カワラヒワ イカル スズメ ハシブトガラス

観察した植物
 ガマズミ ミヤマガマズミ コバノガマズミ ヤブデマリ
 ゴマギ ニシキギ ウツギ タニウツギ 
 ザイフリボク リョウブ コバノミツバツツジ モチツツジ
 コナラ アラカシ シラカシ スダジイ
 ヤマザクラ カスミザクラ ヤマブキ フジ ヤマフジ
 シャリンバイ ヤマモモ ナワシログミ アキグミ
 タラヨウ
 スミレ ヒメスミレ コスミレ アリアケスミレ

快晴&さわやかなお天気。
新芽や花がいろいろ楽しめて、自然観察が楽しい季節。

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2007/04/24

千年の縁起かな

ちょっと季節はずれな気もするけど、タンチョウの話。

タンチョウ
学名はGrus japonensis、英名はJapanese Crane。
学名英名いずれにしても、日本を代表するツルって感じでしょうか。

漢字では丹頂、鶴を付けて丹頂鶴とも書きます。
丹頂の丹は赤い顔料、頂は言うまでもなく、てっぺんのことですね。
頭のてっぺんが赤いから丹頂。わかりやすい名前です。

タンチョウには白と黒の羽根が生えています。
でも、赤い羽根はありません。
では、頭のてっぺん、どうして赤いんでしょう?

あえて、答えは書かないことにしておきます。
タンチョウが近くにいたら、よくよく観察してみて下さいね。

話は変わりますが、タンチョウの好物は魚や虫です。
またまた話が変わりますが、魚食いの鳥、肉はおいしくありません。

その昔、大名だか殿様だかが、正月料理にタンチョウの肉を使った。
そんな話を聞いたことがありますが、おいしかったかは疑問ですね。

全然関係ないけど、鶴で思い出した。
ももけ」いまだに観察できてないなあ…。

【おすすめ】
 Book 「夕鶴・彦市ばなし」 木下順二
 Music 「ウージの唄」 かりゆし58

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2007/04/05

けきょっ

花冷えとはいっても、世の中すっかり春。
ウグイスのさえずりが、あちらこちらから。
 "ほーほけきょ"

時々、鳴き方が下手なのもいたりします。
 "ほー…ほー… ほーーぺちょっ"

ところでウグイス。
最後の "けきょ" 部分だけ繰り返して鳴くこともあります。

"けきょけきょけきょけきょけきょけきょきょきょきょきょっ…"

最初の "ほー" がないと、ずいぶんけたたましい感じ。
谷渡りと呼ばれるこの鳴き方、警戒の気分を表しています。

上空をワシやタカが飛んだり。
生存戦略上の敵であるホトトギスが近寄ってきたり。
何も考えてない人間が、巣の近くに図々しく踏み込んできたり。
そんな危険が迫ったときに、♂ウグイスが出す鳴き声。

ウグイスのさえずりを聞きながらの山歩き。
のどかでいいものですが、鳴き声が谷渡りに変わったら要注意。
♀のウグイスが、近くの巣の中で抱卵しているのかもしれません。
それを見た♂ウグイスが、いたたまれなくて鳴いてるのかもしれません。

そんな時は、鳴いてるあたりから、少し遠ざかってやって下さい。
ウグイスたちが、安心して暮らせるように。

同じ地球の上で暮らす仲間同士。
嫌がらせしあっても、何にもならないですからね。

【おすすめ】
 Book 「13ヶ国ゆうたらあかんディクショナリイ」 開高健
 Music 「姫林檎」 笹川美和

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2007/03/07

色違い

春は、ウグイスの季節。

和菓子屋さんに、鴬餅。
パン屋さんには、うぐいす餡パン。
頒布会で届いた梅酒、ビンのラベルが「梅に鴬」。

鴬餅は青大豆の黄粉で、うっすら緑色。
うぐいす餡は青エンドウで、こちらも緑色。
「梅に鴬」に描かれているのは、緑がかった小鳥。

ところが、実際のウグイスは薄い茶色。
どうひっくり返しても、緑色の部分はありません。
それなのに、ウグイス関連商品、どうして緑色してるんでしょう?


A:ウグイス関連商品の緑色、実はメジロの色です。

メジロ 漢字で書くと目白。
英語名は、Japanese White-eye。
英名和名、両方から判るとおり、目の回りが白い野鳥。
羽根の色は、日が当たるときれいな、少し黄色がかった緑。
大きさはウグイスとそう違いませんが、色も声も違う野鳥です。

メジロの好物は、花の蜜と甘い果物。
花の蜜を吸うため、梅の咲く枝にやってきます。

一方のウグイス。
英名は "Japanese Bush Warbler"
直訳すると "日本の藪でさえずる鳥"。
その名のとおり藪の中にいることが多い野鳥です。

藪の中にいる、小さな茶色い鳥。
まあ、滅多なことでは見ることができません。
さえずる声は、嫌というほど良く聞こえるのですが。

春うららな暖かい日。
梅の木を訪れて蜜を吸う、メジロたちの姿。
きっと、昔の日本人も見ていたことでしょう。

同じく、春うららな暖かい日
裏山の藪で鳴く、ウグイスの声。
間違いなく、昔の日本人も聞いていたでしょう。

メジロとウグイス。
姿を見た鳥と、声が聞こえた鳥。
どこかの時点で、混同されてしまったんでしょうね。

きれいな声で鳴く鳥は、色もきれいに違いない。
そんな、ありがちな思いこみもあったのかもしれません。

とはいえ、鴬餅が目白餅になったり。
うぐいす餡が、めじろ餡になってしまったり。
今さら、そんなことになっても、混乱するだけですよね。
「梅に目白」っていうのも、なんだか言葉の据わりが悪いし。

でも、ウグイス関連商品の緑色、本当はメジロの色です。
メジロのためってことで、頭の隅っこに置いてやってください。

【おすすめ】
 Book 「人間はどこまで動物か」 日高敏隆
 Music 「忘れないでいて」 笹川美和

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2007/02/05

に゛い

「に」に濁点つけると、「に゛」。

会話でも、文章でも、まず使うことのない文字ですね。
ところが、この「に゛」がなくては説明できない野鳥がいます。

スズメ目シジュウカラ科の野鳥、ヤマガラ。

明るい茶褐色のボディ、翼はシャープな灰色。
白い顔に頭巾とあごひげのような黒い模様、くちばしも黒。
大きさはスズメと同じくらいですが、少しスリムに見えます。
さえずりは、ゆったりとした明るい声で「ツツピー ツツピー」。

と、ここまでは「に゛」などなくても説明できるのですが…。

さえずりではなく、仲間同士コミュニケーションする時の声。
これが、濁った「に」を繰り返して、「に゛ー、に゛ー」。
どうやっても、そうとしか聞こえないもので。

図鑑によっては、「ニーニー」とか「ビービー」と書かれています。
でも、「に」と言い切れるほど澄んではないし。
「び」と言うには、どうも鼻にかかったような音。
例えるなら、やっぱり「に゛ー、に゛ー」。

このヤマガラ、割と人懐こい性格で、人里にも良く出てきます。
冬の時期は、公園や街路樹、庭などで見かけることも度々。
少し気をつけていたら、散歩の時などに出会えるかもしれませんよ。
その時は「に゛ー、に゛ー」の発音の確認を忘れずに。

【おすすめ】
 Book 「鳥630図鑑」 日本鳥類保護連盟
 Music 「THE BRIDGE」 GOING STEADY

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2007/01/15

あるいは"白い妖精"

青い鳥赤い鳥、白い鳥、黒い鳥…
日本では、いろいろな色の野鳥が観察できます。

その中で、黒い鳥の代表は、間違いなく"カラス"でしょう。
あんなに真っ黒な鳥、他にまず見かけないですし。

一方、全身が白い鳥は何種類かいます。
ですが、代表格は"ハクチョウ"ではないでしょうか。
なにしろ、名前からして白鳥、白い鳥と言うくらいで。

ところで、カラスという名前の野鳥がいないように。
ハクチョウという名前の野鳥、これも実は存在しません。

日本で見られるハクチョウの仲間は、およそ3種類です。
冬になると渡ってくる、野生のものが2種類。
公園などにいる、飼い慣らされたものが1種類。

野生のハクチョウは、"オオハクチョウ"と"コハクチョウ"。
オオ=大、コ=小 という名前の由来のとおり、体の大きさが違います。
もちろん、大きい方がオオハクチョウ、小さい方がコハクチョウ。
くちばしの付け根にある、黄色い模様の大きさについても、同じく。

公園やお城のお堀で飼われているのは、"コブハクチョウ"。
こぶ状にふくらんだ、くちばしの付け根が特徴。
もともとの生息地はヨーロッパで、オランダの国鳥にもなっています。
「みにくいアヒルの子」に出てくるハクチョウは、こちらの方。

白くてきれいな鳥、というイメージが強いハクチョウたち。
つがいで泳ぐ姿は「白い妖精の舞」などと喩えられたりもします。
でも、雪解け後の田んぼで、泥を跳ね散らかしながら餌を食べる姿。
それは、どう見ても「白い」とは言い難いもので…。

新潟、瓢湖周辺で野鳥観察していた折のこと。
女の子(推定3歳)が、田んぼのハクチョウたちを指差してひと言。
「はくちょうさん、ばばちいよ。」
確かに、そうなんですけどね。

【おすすめ】
 Book 「スワン・ソング」 ロバート・R・マキャモン
 Music 「白鳥の歌が聴こえる」 中島みゆき

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2006/12/11

いないか、いるか…

空気の冷たい早朝、街路樹の上からイカルの鳴き声。

「キーコキィー、キョコキィー」
そんな風に聞こえる、透き通った高い声。
聞きなしは「お菊にじゅうし~」あるいは「救急車こ~い」

標準和名 イカル
学名 Eophona migratoria
英名 Masked Grosbeak

大きな黄色のくちばし。
紺色の頭巾をかぶったような頭。
ずんぐりむっくりした、灰色っぽい体。
尾は紺色で、体型の割に長め。

きれいな色合いだし、いい声だし、よく枝先にとまっている。
そんな理由から、野鳥観察会で参加者に見せることも多い鳥。

ローカルTVの取材が入った、ある日の野鳥観察会。
枯れ木の先にイカルを見つけて、望遠鏡でゆっくり観察した。
名前、鳴き声、聞きなしなど説明しつつ。

観察会が終わった後、レポーターさんが参加者にインタビュー。
レポーター 「今日は、どんな鳥が見られたんですか?」
参加者 「きれいな鳥がいたんですよ。ええ、イルカが」


たかが3文字の鳥の名前。
それさえも、人に正しく伝えるのは難しいものだったと。
さわやかな朝に、意味もなく思い出してしまった。

【おすすめ】
 Book 「ニッポンのマンガ―AERA COMIC」
 Music 「Fire Cracker」 ELLEGARDEN

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2006/11/30

Shrike behavior

自転車で通りかかった、公園のフェンス
破れてはみ出た針金の先に、ひからびたカエル。
少し離れた電線の上、キチキチと高鳴くモズの姿。
久しぶりに見つけた、モズの「はやにえ」。

はやにえ(早贄、速贄)は、モズの習性。
昆虫とか、カエルとか、トカゲとか。
餌になる生き物を、木の枝や鉄条網に刺して保存する。
で、そのまま残っていることがよくある。

後で食べるつもりでいて、忘れるのか。
刺した時点で、興味が無くなってしまうのか。
モズに他意はないんだろうけど。
見つけると、ちょっと驚いてしまうものの1つ。

はやにえの位置が高い年は積雪量が多い。
そんなふうにも言われることもあるらしい。
とはいえ、雪の降らないこのあたり。
何故か目線の高さにあることが多くて…。


学生時代の野鳥観察会。

鉄条網に刺さったカエルを見つけて、
「これって、有名なモズの延縄(はえなわ)ですよね~。」
そう言って喜んだ新入生がいたなあ。

モズのはえなわ。
まあ、いいんだけど。

【おすすめ】
 Book 「野の鳥の生態」 仁部富之助
 Music 「太陽の祭り」 DIAMANTES

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2006/10/30

青い鳥、小鳥

チルチルとミチルが探した青い鳥は、自分の家にいたようですが、
日本の青い鳥は、山の中に住んでいます。

木の葉が散り始める頃、人里近い山にやってくる「ルリビタキ」。
ルリ=瑠璃(ラピスラズリ)を冠した名前のとおり、きれいな青い鳥です。

標準和名 ルリビタキ (スズメ目 ツグミ科)
 英名 Red-flanked Bluetail
 学名 Tarsiger cyanurus

頭から背中、尾羽根にかけては青、腹側は白、脇腹にオレンジの縁取り。
つぶらな黒い瞳に、白い眉、細めの黒いくちばし、ピンクがかった黒い脚。
スズメと同じくらいの大きさですが、全体にスマートな雰囲気。

鳴き声は、つぶやくような感じで「ヒーッ、ヒーッ、ゲゲッ」。
同じ仲間のジョウビタキに似ていますが、やや♭がかった哀愁漂う声。

性格は好奇心旺盛。
野鳥の観察中、ふと気付くと近くの枝にからこっちを見ていたり。
山の中で休憩中、脇に置いたザックのボタンをつつきに来たり。

ただ、全体が青いのは、♂の成鳥のみ。
♀や♂の若鳥は、♂成鳥の青い部分が地味な茶色。
なので、実際に出会えるのは青くない個体が大半です。

なかなか出会えない分、きれいな青い個体が見られると嬉しいもの。
幸せの青い鳥かどうか、それはわかりませんが。

夏はまた別の青い鳥、「オオルリ」と「コルリ」が見られます。
こちらはこちらで説明すると長くなるので、また次の夏にでも。

【おすすめ】
 Book 「森の聖者 自然保護の父ジョン・ミューア」 加藤則芳
 Music 「いつかきっと」 渡辺美里

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2006/10/25

誰知烏之…

身近な野鳥と言えば、スズメとカラス。
そんな風に思う人が多いのではないでしょうか。

同じくらい身近な、スズメとカラス。
でも、カラスという名前の野鳥、じつは存在しません。
スズメという名前の野鳥はいるんですけどね。


Q では、そこらでカアカア鳴いている黒い鳥は何なのか。
A カラスの仲間ですが、「カラス」という名前ではありません。

身近に見られるカラスは2種類。
ハシブトガラス と ハシボソガラス です。
野鳥の調査の時など、共通項を省いて ブト ボソ とも。

ちなみに、ハシ=嘴、ブト=太、ボソ=細 の意味。
くちばしの太いカラスと、くちばしの細いカラスということです。

2種類のカラス、その名のとおり見た目の特徴が違っています。
ハシブトガラスは、おでこが出た頭に、太いくちばし。
ハシボソガラスは、なだらかなおでこに、細めのくちばし。

名前とは関係ないですが、鳴き声も違います。
カアカアと澄んだ声で鳴くことが多い、ハシブトガラス。
ガアガアと濁った声で鳴くことが多い、ハシボソガラス。

マンガなどで「アホー」と鳴いて飛び去るのは、ハシブトガラスですね。

住んでいる場所も、少し違っています。
ビルや建物が集中している街中には、主にハシブトガラス。
田んぼや畑が広がる郊外には、主にハシボソガラス。

両方が混じっていることもあるのですが…。
東京都の知事さんを悩ませているのは、ハシブトガラス。
権兵衛さんが播いた種をほじくるのは、ハシボソガラス。
大まかには、そう考えてもいいかと思います。

秋から冬にかけては、さらに違うカラスが見られることもあります。
上記の2種類より一回り小さくて、高い声で鳴く ミヤマガラス。
同じく、二回りほど小さくて、より甲高い声で鳴く コクマルガラス。
いずれも、ハシボソガラスの群れに混じっていることが多いです。
数は決して多くないですが、見つけると、ちょっとうれしい。

真っ黒だし、地味だし、声がきれいなわけでもないし。
好きという人は少ないカラス。
でも、街中でも田舎でも、遭遇率が高い野鳥です。
空いた時間に観察してみると、案外面白いかもしれませんよ。


スズメはスズメで、こちらも1種類ではなかったりします。
が、その話は、また別の機会に。

【おすすめ】
 Book 「雪国のスズメ」 佐野昌男
 Music 「瞳の中の青い海」 上々颱風

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2006/10/11

けりけりとけりなきにけり

秋半ば。
稲刈り後の田んぼに、ケリの姿。

ケリ。
ラ行変格活用の助動詞「けり」 …けり けら - けり ける けれ -
じゃなくて、チドリ目チドリ科の野鳥。
ケリケリと甲高い声で鳴くから、ついた名前が「ケリ」。

標準和名 ケリ 
学名 Vanellus cinereus
英名 Grey-headed Lapwing

ハトよりも一回り大きい体。
英名から判るように、灰色の頭。
背中は茶色、腹は白、胸には三日月に似た黒いライン。
先端だけが黒い黄色のくちばしに、赤い瞳。
長めの脚は、くちばしより少しくすんだ黄色。
翼を広げると、先は黒、中程は白。

決して派手な色彩ではないし、体が大きいわけでもない。
だけど、田んぼに佇むだけで、妙に存在感のある鳥。
理由はたぶん、その性格。

気性が激しいというか、負けん気が強いというか。
繁殖期や雛のいる時期、うっかり巣に近づくと怒る。
なにもそこまで、と思うくらい激しく怒る。

人間、野良犬、カラス、ヘビ… 基本的に相手は選ばない。
まずは、けたたましく鳴きながら、接近者の周りを飛び回る。
そこで引き返さないと、直接攻撃も辞さない構え。

飛び回りながら、少しずつ距離を詰める。
脚とくちばしは、徐々に攻撃モード。
ある程度まで近づいたところで、急降下&アタック。

爪とくちばしを使った攻撃は結構激しい。
雛を狙った野良犬やカラスが、鳴きながら退散していくほど。
高校の生物部には、「観察に熱中しすぎてケリに蹴り倒された」
そんな伝説の持ち主もいた。

そんなケリも、繁殖が終わった秋冬は比較的おとなしい。
何羽かが集って、田んぼでのんびり餌を採っていたりする。

だからといって、油断は禁物。
双眼鏡で覗くと、レンズ越しに鋭い一瞥が飛んで来る。
続いて、ケリケリと鳴き声を上げ、こちらに向かって飛び立つ気配。
そんな雰囲気になったら、さっさと逃げるのが一番。

鳥とはいえ、蹴られると相当痛いから。

【おすすめ】
 Book 「土間の四十八滝」 町田康
 Music 「Have You Never Been Mellow」 Olivia Newton-John

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2006/09/19

秋空に、鳥渡りゆく

9月も後半。
そろそろ、秋の渡りの時期。

「渡り」というのは、野鳥が繁殖地と越冬地との間を移動すること。
渡りをする鳥は「渡り鳥」と言われています。

日本でみられる渡り鳥は、大きく分けて2種類。
春から夏にかけて日本で繁殖する「夏鳥」。
秋から冬にかけて日本で越冬する「冬鳥」。

夏鳥として一番身近なのはツバメでしょうか。
他にも、鳴き声が特徴的な、ホトトギスカッコウアカショウビン
見た目が美しい、オオルリ、キビタキ、ブッポウソウ
彼らは主に、東南アジアなど南方から渡って来ます。

冬鳥で目立つのは、カモの仲間とカモメの仲間。
それから、ジョウビタキ、ルリビタキ、ツグミ。
集団で越冬するハクチョウの仲間や、ツルの仲間などもそう。
こちらは、シベリアや樺太など北の国から。


当然ですが、渡りをしない鳥も。
こちらは「留鳥(りゅうちょう)」と言われます。
身近なところでは、スズメ、カラス、ムクドリ、ヒヨドリなど。
少し山際で、フクロウ、ウグイス、ホオジロ、メジロ…。

旅鳥(たびどり)とか、漂鳥(ひょうちょう)という分類もあります。
ここでは説明が長くなるので、またの機会に。

9月後半から10月にかけて。
次々と旅立って行く夏鳥たち。
それから、入れ替わるようにやってくる冬鳥たち。

上昇気流に乗って秋空に舞い上がるサシバの姿。
河原に集まって旅支度をするツバメ。
夏を彩っていた鳥たちが、いつの間にかいなくなって。

かと思うと、池や川に現れるカモたち。
朝、窓を開けたら、電線で鳴くジョウビタキ。
夜空から降ってくる、ツグミの声。

毎年のことだけど、季節は変わっていくもの。


ドイツ語では「渡り鳥」="Wandervogel"(ワンダーフォーゲル)。
大学のサークルに「ワンダーフォーゲル(ワンゲル)」があります。
が、これはまた、別の生き物の話。

【おすすめ】
 Book 「アド・バード」 椎名誠
 Music 「サウダージ」 ポルノグラフィティ

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2006/09/13

水面に翡翠

川沿いの道を散歩中、カワセミの姿を見つけた。

ずんぐりした体、アンバランスに長いくちばし。
頭から背中にかけてはメタリックブルー。
胸から腹にかけては、対照的なオレンジ色。

川面に張り出した枝にとまって、魚を捕ろうとしている。
魚影を追っているのか、左右に何回か頭を振って。
目標が決まったらしく、くちばしから水中にダイブ。

首尾よく魚を捕まえて、帰ってくるカワセミ。
くわえた魚を、ぺちぺちと枝にたたきつける。
魚を弱らせているのか、骨を砕いているのか。

続いて、魚を縦向きにくわえなおす。
尾びれをくちばしの先、頭を口元に向けて。
飲み込む時、うろこがのどに引っかからないように。

で、ひと飲み。
ちょっと首を上下させて、何事もなかったような顔。
次の魚を捕るかと思ったけれど、飛んでいってしまった。

水面すれすれを飛んでいく姿を見送って、散歩再開。
雨上がりの風が心地よい夕暮れ。

【おすすめ】
 Book 「スター・レッド」 萩尾望都
 Music 「I'll believe the lock in your eyes」 坂本美雨

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2006/06/08

ぴりり。

連休明けの夕方。
上空を渡る鳥を見つけた。
しばらく見ていると、鳴き声が降ってくる。
「ぴりり ぴりり」

夕空を遠ざかる姿は、もう点にしか見えない。
だけど、間違いなくサンショウクイの声。

サンショウクイ(Pericrocotus divaricatus)
5月の初め頃日本に渡ってくる、夏鳥の仲間。
白・グレー・黒3色の、モダンな色彩。
スマートな体型と長めの尾羽も、洒落た雰囲気。

「サンショウクイ」=「山椒食い」。
といっても、実際食べるのは山椒の実ではなく昆虫類。
「ぴりり」と鳴く声を、山椒のことわざに喩えた名前らしい。
サンショウの芽が出る頃に渡ってくるからとも言う。
どんな名前で呼ばれようと、鳥には関係ないんだろうけど。


小粒でもぴりりと辛い山椒。
ぬか床の底に一掴み入れると、漬けあがりがひと味違う。
というのは、おばあちゃんの知恵。

【おすすめ】
 Book 「性転換する魚たち」 桑村哲生
 Music 「My Sharona」 The Knack

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2006/05/16

People pray !!

コジュケイという鳥、ご存じですか?

あまり、ぱっとしない、地味な名前。
見た目も地味な黒・茶・灰色の組み合わせ。
あごの下には、ややオレンジがかった羽根。
それから、胸の上の青みがかった羽根がアクセント。

暮らしも地味。
大抵、藪の中に隠れている。
人が近づいていくと、まず隠れる。
隠れてもだめだと思うと、歩いて逃げる。
逃げ切れないと思うと、ちょっとだけ飛ぶ。

つぶらな瞳と、ウズラみたいな、ずんぐりした体型が愛らしい。
でも、特に目立つところのない、見かけることも少ない鳥。

だけど、声は正反対。
一度聞いたら忘れられない、と聞いた誰もが言うほど。

「チョットーコイ チョットコイ チョットコイ…」
体の大きさからは想像できないほど、大きな声で。
いい加減息が切れないか、と思うほど繰り返す。
繰り返すうちに、だんだん声が弱っていったりする。
やっぱり、疲れるのかも。

チョットコイ。
人を呼びつけるような、この鳴き声。
だけど、立場が違うと、違って聞こえるらしい。

小学校での探鳥会。
校長先生から真顔で質問。
「裏の鳥がコーチョーコイと呼ぶんですが…」
確かに、そう聞こえなくもない声。

英語圏の人には「People pray!」と聞こえるらしい。
「People pray! People pray! People pray!」
ちょっと巻き舌気味なあたり、確かに似てる。

5月も半ば、春の山を散策すると、聞こえてくるかも。
「チョットコイ コーチョーコイ People pray!」

姿は地味だし、めったに見られないけど。
声の主はコジュケイです。
覚えてやってくださいね。

【おすすめ】
 Book 「スティルライフ」 池澤夏樹
 Music 「漂流の羽根」 鬼束ちひろ

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2006/04/25

春告鳥が鳴いて、春。

山道を歩くと、あちらこちらでウグイスのさえずり。
「ホーホケキョ、ケキョケキョ…」

場所によっては、2羽で交互に鳴いていたりもする。
1羽が鳴くと、少し離れた場所でもう1羽が鳴き返す。
少し場所を移動して、最初の1羽がまた鳴く。
と、もう1羽がも同じように移動して鳴き返す…。

つがいで仲良く鳴き交わしているようにも思えるこの光景。
実は、♂同士のなわばり争い。
「ホーホケキョ」とさえずるのは、♂ウグイスだけ。
さえずりの目的は、♀ウグイスの確保と、なわばりの維持。

繰り返される「ホーホケキョ」の意味は、こんな感じ。
「ここから俺のなわばりだから、これ以上入ってくるな。」
あるいは、
「ここにいる♀ウグイスは俺のものだから、近寄るな。」
美しい鳴き声の割に、言ってることは結構厳しい。

春先の「ホーホケキョ」には、もう一つ意味がある。
♀ウグイスに向けての呼びかけ。
「ここに♂ウグイスがいるから、一緒に巣作りしませんか。」

いずれにせよ、翻訳してみると身も蓋もない話。

でも、これはウグイスに限ったことではなかったりする。
音色の違いや程度の差こそあれ、鳥のさえずりの意味はどれもほぼ同じ。

きれいな野鳥の鳴き声。
いらないことは考えずに、ただ楽しむ方がいいかも。

【おすすめ】
 Book 「鳥学の世界へようこそ」 デイヴィッド・ラック
 Music 「歌をあなたに」 中島みゆき

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2006/04/20

空に飛燕

自転車で走っていると、ツバメに追い越される季節になった。

小さな体だけど、よく飛ぶもので、下手な車より速いこともある。
しかも、車と違って、すごく小回りがきく。
どうやっても、真似できそうにない動き。

そうやって飛びつつ、餌をとったり、巣の材料を集めたり。
覚束ない飛び方の巣立ちビナを思うと、信じられない気もする。
野生の生き物って、すごいものだ。

もう1ヶ月もしたら、また巣立ちビナが飛び始めるんだろうな…。

【おすすめ】
 Book 「子ぎつねヘレンが残したもの」 竹田津実
 Music 「翼をください」 赤い鳥

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2006/03/23

「わっ」

コウモリ調査のため泊まり込んでいた西表島。
時期はちょうど今頃、3月半ば過ぎ。

ヤモリの声と共に過ぎる夜
そして、朝は朝で別の音が良く聞こえた。
子どもの叫び声のようにも聞こえる、不思議な音。
「わっわっわっわっ わわわわっ」

何の音だろう。
寝袋の中で考える。
音源が移動しているので、おそらく生き物だろう。
近所で子どもは見かけないので、いたずらではなさそうだ。
大型哺乳類はいないはず。鳥の仲間か、それとも…。

早起きをしたある朝。
見つけた声の主は、シロハラクイナ。
(白腹水鶏・White-breasted Waterhen)
顔から腹にかけての白い羽がよく目立つ、水辺の鳥。

白地の顔に、つぶらな黒い瞳。
鼻先だけ赤い、黄色いくちばし、黄色の脚。
後頭部から背中にかけてはの羽根は、濃い灰色。
特に変な色でもないのに、なぜか間抜けな顔に見えてしまう。

しばらく見ていたら、危険を感じたのか歩いて逃げ始めた。
距離を詰めると、走って藪の中へ消えてしまった。
鳥なら飛んで逃げれば良いようなものだけど。
そんなに飛ぶのが苦手なのか…。

次の朝も、明け方に同じ鳴き声。
「わっわっわっ わわわわっ」

また、間抜けな顔して歩きながら鳴いてるんだろう。
そう思いつつ二度寝した、春の朝。

昔も今も、沖縄も本州も、春眠は同じだなあと、思い出してみた。

【おすすめ】
 Book 「沖縄の野鳥観察」 与那城義春
 Music 「星のパーランク 」 ネーネーズ

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2006/02/11

日本でいちばん

スキー場のリフトにて。
左右の林を眺めていたら、キクイタダキの群れがやってきた。
チュルチュル、チュリッ
とも聞こえる、金属的な高い声で鳴きながら、餌を探している様子。

キクイタダキ = 菊戴
全体にオリーブ色がかった羽毛の中で、頭のてっぺんだけ黄色。
それを、頭に菊の花を乗せている、と例えたらしい。

だけど、キクイタダキは小さい。
日本の野鳥の中で、一番小さい。
くちばしの先から、尾羽の先まで10cm
翼を広げて右端から左端まで15cm
体重 5g

一円玉5枚と、品評会に出ているような菊花。
天秤に載せたら、花の方が重たいのではないだろうか。

もっとも、枝先を渡るキクイタダキは、名前なんか気にしてないだろう。
チュルチュル鳴きながら、葉を揺らしもせず、枝先を渡っていく。
軽やかな動きに見とれかけたところで、リフトの終点。

【おすすめ】
 Book 「食に幸あり」 小泉武夫
 Music 「Space Sonic」 ELLEGARDEN

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2006/02/06

あそびをせむとや

散歩中の歩道の上。
ハシブトガラスが電線に平行にとまっていた。
足の構造を考えたら、変なとまり方だ。

よく見ると、右足と左足で両側から電線をつかんでいる。
どうしたのかと思っていたら、そのまま歩き始めた。
左右の足を交互に出して、電線上を縦歩き。
どう見ても歩きやすそうではない。
それでも、真面目?な様子で10歩ばかり。

案の定、バランスを崩して落ちそうになる。
とはいえ、そこは鳥。
羽ばたいてちゃんと復帰した。
今度は足をそろえて、普通にとまる。
と思ったら向きを変えて、また縦歩きを始めた。
10歩ほどで、同じようにバランスを崩す。
ちょっと羽ばたいて、また縦歩きにチャレンジする。

そうするうちに、こちらが見ていることに気づいたらしい。
ひとしきりカアカア鳴いて、飛んでいってしまった。

いったい、何をやっていたんだろう。
餌を取るための行動とは思えない。
周りに他のカラスがいた訳でもない。

ヒマつぶし?それとも1人遊び?
子どもがバランスを取って遊んでるようなものだろうか。

楽しいと思ってやってたのか、ほかに理由があったのか。
聞いても、答えてはくれないだろうけど。
カラスという生き物。
時に不思議なことをするものだ。

【おすすめ】
 Book 「冬のマーケット 20世紀SF (5)」  中村融, 山岸真 編
 Music 「花の散るとき」 オリガ

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2006/01/11

カモ→カモメ?

車で走っていたら、山間の池が凍っていた。
車を降りて近づいたら、うっすらと白い氷の表面に足跡が点々と。

肉球の跡があるのは、タヌキかキツネ。
大きめの鳥足は、たぶんカラス。
水かきの跡がついているのは、カモの仲間だろうか。

そういえばカモたち、ねぐらはどうしてるんだろう。
天敵を避けるための水面なのに、凍ってしまっては意味がない。
現に、タヌキやキツネが歩いているわけだし。

それに、凍ってないところを見つけてねぐらにしたとして。
寝ている間に凍ってきたりしないんだろうか。

そういえば、そんな落語があったような気もする。
凍ってしまったところへ、鎌持ってカモ刈りに行く話。
で、刈り取って残った足から、カモメが生えてくるって。
想像したら、怖い光景。

とはいえ、カモは野生の生き物。
足が凍るようなヘマは、たぶんしないと思うんだけど。
どうなんだろう。

【おすすめ】
 Book 「Around the world in 80 days」 Jules Verne
 Music 「カルマ」 BUMP OF CHICKEN

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